昭和の初期、東京の小石川植物園長・松崎氏により、秩父の地名を冠してチチブベニシダレザクラと命名されたバラ科のサクラ属のエドヒガンの1種である。このエドヒガンの枝垂れ性の類をシダレザクラまたはイトザクラといい、さらに花びらが濃いものをベニシダレザクラと称している。
ソメイヨシノより数日早く開花し、単弁ではあるが花の着生数も多く、花色も濃い特徴を持っている。
樹齢はおよそ100年と推定されたが、その主幹部分は既に枯渇して消滅し、往時の樹勢は全く見られない。主幹下部より側枝(幹)が三本出て、それが旺盛に成長中である。
尚、これの枝を採取し、挿木にて養育したものが、宇根地区及び丸山林道沿いに植栽されている。