法長寺涅槃会本尊として用いられるもので、画面縦2.75m、横3.12mの大涅槃図である。北枕西面右脇下にして涅槃にはいる釈迦像を中央に、それをう囲繞して悲嘆にくれる多くの仏弟子、諸王、動物たちを極彩色で描き、釈迦とそれを見守る菩薩形の七名の貴人は皆金色に彩られている。
画面は和紙15枚ほどを張り合わせ、装丁は裂地である。巻軸裏には「誓願時□古町西入町、佛繪表具師、伊勢屋忠三郎」とあり、軸棒覚書に「天明七年丁未秋」(1787)と記されている。
類例の多い涅槃図にあってその製作年・製作地が明らかであり基準作例として貴重である。
平成12年秋表具を補修し、収蔵箱を新調した。