小川山語歌堂(臨済宗)といい、本尊は准胝観音である。本間孫八が慈覚大師作と伝えられる准胝観音を安置するために建立した。また、孫八は詩歌の道を極めようと精進していたが、ある日、旅僧が観音堂を参拝に訪れ、二人で夜を徹して和歌の道を語り合い、明け方近くになって遂に和歌の奥義を体得したという。これにより、語歌堂と名付けたといわれている。
現在の観音堂は、文化年間(1804~18)に、地元出身の25歳の青年棟梁の処女作として伝えられている。7.2m四方の方形造りで、仁王門を構えている。別当寺は長興寺で、観音堂と別当寺という札所本来の形を残している。
また境内の南西には、明治・大正時代、武甲山御嶽神社の秋季例大祭に、和田河原で打ち上げられた花火大筒数本が、平成14年まで置かれており、花火の奉納と語歌地域との関わりの強さがうかがえる。
御詠歌
父母の恵みも深き語歌の堂
大慈大悲の誓たのもし