宝塔の塔身(軸部)は一般に円柱形であるが、今市の宝塔は四角柱なので四面塔とも呼ばれ、緑泥片岩の組立式で、他に例がみられない。
高さ40.8cm、基檀一辺23.6cmを測り、軸部の正面には種子バク(釈迦如来)と文安2年(1445)乙丑4月の銘、両側2枚には種子ユ(弥勒菩薩)、裏面には種子バクが刻まれている。笠は僅かに勾配をとり、軒反りなどに室町期の特徴を表している。
この宝塔は、白山(ウォーターパーク・シラヤマ)にある通称白山社(白山比咩神社)の神体として、これまで小祠の中に安置されてきた。もとは塔内に経典が納められていたといわれるが現存しない。この地区には横瀬六郎左衛門の屋敷跡が伝承されている。
いつの頃か歯の神様として信仰され、たくさんの割箸が納められていたという。