茂林寺は曹洞宗、山号は神移山。本尊は阿弥陀如来を安置する。
舟乗観音は千嶋壽氏の調査によると、もとは日向山山中の小堂に安置されていた。舟に乗った木彫立像の聖観音で、像高は87cmを測り、形態細やかな仏像である。厨子は宮殿造りの荘厳なものであり、江戸時代の高度な技術が活かされている。「安永8年(1779)江戸浅草田原町仏師三上藤□ 塗師三上喜□□□」の名が厨子に記されている。
同寺は寛文4年(1664)火災に遭い、資料等はほとんど残っていない。
江戸-飯能-芦ケ久保を経て秩父にはいる街道沿いにあり、札所巡礼の「手引き観音」ともいわれている。