島田家は鉢形城主北條氏邦の家臣・嶋田三河守四郎左衛門が初代といわれているが、故千島熊蔵氏の調べによると、四郎左衛門以前に200年の歴史があり鉢形城が落城したので位牌を焼き、墓を壊し家族をのこすため出家して札所六番荻野堂の別当卜雲寺を開基して卜雲入道となる。
建物は寛永元年(1624)に建築されたと伝えられ、入母屋造りの2階建てで、間口約18.9m、奥行9.9mを測り、外観は中央部を切り上げた入母屋の養蚕農家である。 屋根に比べ入母屋が小さいが、秩父地方の古民家の茅葺屋根は寄せ棟が祖型であるので、小形の入母屋は秩父地方の民家の特色の一つである。玄関脇には廊下に続いて、名主が執務したといわれる小部屋があり、玄関を入った土間の片隅には室があり、非常の際に重要書類を保管したといわれている。また、家の東側には鉢形城ゆかりの門があり、この家の重要な客はこの門より入り、奥座敷に迎えられたと伝えられている。