この山車は八阪神社(前出No14)の例大祭の付祭に奉曳されるもので2台あり、1台は万灯の上には波に旭日(太陽)を、もう1台は群雲に月を冠している3層の笠鉾。心柱の高さを誇っていたが、大正12年頃、電線の架線にかかるのを避けるため高さ7.2mに縮小した。その後、平成10年に心柱(標木)を8.8mのものに復元した。
八阪神社の祭礼(4月第1日曜日)に奉曳されるが、神社が天王山頂にあった頃(明治42・3年以前)、その曳上げと曳下ろしは壮観であったといわれ、笠鉾を倒さないよう心綱を引く、心綱道の跡も残っている。兎沢を渡るのも難業で、祭の度に橋を架けたという。
現在、秩父屋台囃子の宇根社中を結成し、山車曳行時の他、諸活動を行い、後継者の育成にも意を尽くしている。
なお、「松本家御用日記」の文政12年(1829)6月16日付の記録によれば、宇根天王祭り6月20日とある。